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映像制作照明

(株)桜井屋灯具店では、下記事業を展開しています。
・オリジナルプロダクトの企画・設計・製作・販売
・特注照明の設計・製作
・他社既製品照明の卸販売・2次加工
・アンティーク照明の修理・復元
・輸入照明の日本仕様への組み替え及びPSE適合加工
・照明計画設計

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・特注照明について
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映像制作照明とは?

映像制作照明とは、映像作品において被写体や空間を照らし、視覚的な魅力や感情表現を高めるための照明技術のことを指します。映画やドラマ、CM、MV(ミュージックビデオ)、YouTubeコンテンツに至るまで、あらゆる映像作品において「光」は演出の要です。カメラや編集技術がどれほど進化しても、照明が適切でなければ映像の質は大きく低下します。

映像制作における照明の役割とは?

映像制作における照明の主な役割は以下の通りです。

  • ・被写体の明瞭化:顔や物体をはっきりと見せるために必要
  • ・雰囲気の演出:明るさや色温度で感情やストーリーを表現
  • ・画面の立体感を演出:影やハイライトによって奥行きを生み出す
  • ・視線誘導:観客の目を特定の箇所に誘導する効果がある

照明は単なる「明るくするための光源」ではなく、映像表現の戦略的ツールとして位置づけられています。

映像制作照明の基本3点セット「三点照明」とは?

映像照明の基本として、ほぼすべての現場で使われるのが「三点照明(スリーポイントライティング)」です。これは、以下の3つの照明から構成されます。

キーライト(主光源)

被写体を最も強く照らすメインの光。顔の輪郭や陰影を作る基本となります。

フィルライト(補助光)

キーライトによってできた影を柔らかくするための光。照度はキーライトより弱めに設定します。

バックライト(リムライト・ヘアライト)

被写体の後方から照らす光で、背景と被写体を分離し、立体感を強調します。

三点照明を基本にしつつ、シーンや演出に応じて光の数や方向、色を調整するのがプロの技術です。

映像照明の種類と特徴

照明にはいくつかのタイプがあり、それぞれ特性と用途が異なります。

タングステンライト

暖かい色味(約3200K)で映画的な質感を演出できる定番ライト。調光もしやすく、室内撮影でよく使われます。

HMIライト

非常に高出力で昼光色(約5600K)の照明。屋外や大型セットでの使用に適していますが、高価で電源も大きく必要です。

LEDライト

低消費電力で発熱が少なく、色温度や明るさの調整も可能。軽量で持ち運びしやすいため、YouTuberや小規模制作でも人気。

フルオレセントライト

ソフトで均一な光を出せるため、美肌効果が高く、インタビューやポートレートに適しています。

照明と映像表現の関係

照明は映像の「印象」を大きく左右します。以下に、照明がストーリーや感情表現にどう関わるかを具体的に紹介します。

暗い照明:サスペンスや恐怖を表現

暗い中に一部だけ照らすことで、不安感や緊張感を演出できます。ホラー映画やスリラーで多用されます。

柔らかい照明:温かみや安心感を演出

ディフューザーを使って柔らかく照らすことで、人物を優しく見せることができます。恋愛ドラマや日常系作品に向いています。

カラーフィルター(ゲル)を使った照明:世界観を強調

赤や青、緑などのカラーフィルターを用いた照明は、作品の世界観や精神状態を視覚的に表現する際に効果的です。

プロの現場で使われる照明機材とは?

プロの映像制作現場では、用途に応じて多種多様な照明機材が使われます。ここでは代表的な機材を紹介します。

Aputure(アプチャー)

高品質なLEDライトで、CRI(演色評価数)が高く、色再現性が優れています。YouTubeから映画撮影まで幅広く活用されています。

ARRI(アリ)

HMIライトやフレネルライトなど、高出力で信頼性のある機材を提供。映画業界の定番ブランドです。

Godox(ゴドックス)

リーズナブルな価格帯で高性能な照明を提供しており、個人制作者にも人気。

Nanlite(ナンライト)

チューブ型やRGB調整可能なモデルが特徴で、映像表現の幅を広げてくれます。

初心者が揃えたい映像照明機材セット

映像制作をこれから始める方には、以下のようなセットがオススメです。

LEDパネルライト×2〜3台

 色温度調整可能で、光量調整機能付きが理想。

ソフトボックス or ディフューザー

 光を柔らかくし、人物を美しく見せるために必須。

スタンドとクランプ

 自由な角度や高さに固定するための機材。

反射板(レフ板)

 自然光や照明の反射で影をコントロールできます。

これらを使えば、インタビュー、商品紹介、屋内撮影などの基本的な映像は十分にこなせます。

映像制作照明の今後のトレンド

技術の進化に伴い、映像照明も進化を続けています。特に注目すべきトレンドは以下の通りです。

 RGB LEDライトの普及

色温度だけでなく、任意の色を自在に出せるRGBライトの登場で、照明の演出幅が大きく広がっています。

バッテリー駆動の機動性向上

ケーブル不要で長時間使用できるライトは、ロケや狭い空間での撮影に革命をもたらしています。

アプリ連携による操作性の向上

スマートフォンから複数の照明を一括で制御できるシステムが増えており、より効率的な照明演出が可能になっています。

まとめ:映像制作照明は「光の演出」で魅せる時代へ

映像制作における照明は、単なる補助的な存在ではなく、作品の世界観や物語を構築する「演出の主役」です。三点照明の基本を理解し、照明機材や種類の特徴を押さえることで、映像の質は格段に向上します。近年は、高性能で低価格なLED照明が増えており、初心者でも手軽にプロのような光を扱える時代になりました。照明を制する者は、映像を制する――この言葉を胸に、ぜひ「光の魔法」を映像制作に活かしてみてください。