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商業施設の間接照明

(株)桜井屋灯具店では、下記事業を展開しています。
・オリジナルプロダクトの企画・設計・製作・販売
・特注照明の設計・製作
・他社既製品照明の卸販売・2次加工
・アンティーク照明の修理・復元
・輸入照明の日本仕様への組み替え及びPSE適合加工
・照明計画設計

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商業施設の間接照明とは?

商業施設の設計やリニューアルを考えるうえで、重要な要素の一つが「照明」です。その中でも近年注目を集めているのが間接照明です。直接光源を見せずに壁や天井を反射させて光を拡散させる間接照明は、柔らかな雰囲気を演出し、来店客に心地よさを与える効果があります。

間接照明とは?──その特徴と効果

間接照明とは、光源を壁や天井、床などの面にあてて、反射した光で空間を照らす手法を指します。直接照明のように光源が視界に入らず、目に優しい拡散光を得られるのが特徴です。

主な効果は以下の通りです:

  • ・空間を広く見せる:天井や壁を照らすことで、空間に奥行きと広がりが生まれる。
  • ・高級感を演出できる:柔らかい光が店舗に落ち着いた印象を与え、上質な雰囲気を作る。
  • ・視認性と快適性の両立:まぶしさが少なく、商品を見やすい環境を提供できる。
  • ・ブランドイメージの強化:光のトーンや演出によってブランドの世界観を演出できる。

商業施設における間接照明のメリット

商業施設に間接照明を取り入れることで、来店客の体験価値が向上し、結果的に売上やリピート率の向上につながります。具体的なメリットを見てみましょう。

来店客の滞在時間を伸ばす

柔らかく落ち着いた光は、来店客の心理に働きかけます。心理的にリラックスできる環境は、滞在時間の延長を促し、購買行動を後押しします。

ブランドイメージの差別化

例えば、ラグジュアリーブランドでは天井間接照明を活用して陰影を強調し、洗練された空気感を演出しています。カジュアルブランドであれば、壁面や什器に組み込んだ間接光で温もりや親近感を生み出すことが可能です。

省エネ・メンテナンス性の向上

最新のLED間接照明は、消費電力が低く長寿命。さらに光源が露出していないため、汚れや故障のリスクが少なく、メンテナンスの手間も抑えられます。

商業施設での活用事例

ここでは、実際に間接照明が効果的に活用されている事例をいくつか紹介します。

百貨店の化粧品売り場

棚の下部や壁面に間接照明を仕込み、商品を立体的に見せる工夫がされています。照明色を暖色系にすることで、肌が美しく見える視覚効果も。

カフェチェーン

天井の梁や壁面に間接照明を施し、全体に落ち着いたトーンを演出。長居したくなる空間づくりに貢献しています。

ファッションモールの共用部

エスカレーター周りや通路天井に間接光を使用し、施設全体の統一感と高級感を表現。通行者の足を止め、店内への導線も自然に誘導しています。

間接照明を取り入れる際のポイント

商業施設において、間接照明はただ導入すれば良いというものではありません。以下のポイントを押さえることで、より効果的に活用できます。

配光設計を重視する

光の当て方ひとつで印象は大きく変わります。天井の隅に設置する「コーブ照明」や、壁に設ける「ウォールウォッシャー」など、目的に応じた配光設計が重要です。

色温度の選定

色温度(ケルビン数)により、空間の印象は大きく異なります。温かみのある空間には3000K前後、スタイリッシュで現代的な印象には4000K〜5000Kが適しています。

調光システムの導入

時間帯や季節、イベントなどに応じて光の強さを調整できる調光システムを組み込むことで、柔軟な空間演出が可能になります。

間接照明に適したLED製品とは?

近年では、商業施設向けに設計されたLED間接照明器具も数多く登場しています。以下の点をチェックして選びましょう。

  • ・演色性(Ra値)が高いもの:商品や肌を自然な色で見せるためにはRa80以上、できればRa90以上が理想。
  • ・設置の自由度が高い:スリムでフレキシブルな形状の器具は、施工性が高くさまざまなデザインに対応。
  • ・耐久性・安全性:長時間点灯する施設では、熱対策や素材の安全性にも注目が必要です。

今後のトレンド:スマート照明と間接光の融合

IoT技術の進化により、スマート照明の導入が進んでいます。間接照明とスマート制御を組み合わせることで、以下のような新しい価値が生まれています。

  • ・顧客の動きに応じた自動照明制御
  • ・曜日・時間帯に合わせた光の最適化
  • ・ビーコンやセンサーと連携した演出

これにより、省エネ効果と空間演出の両立がより高度なレベルで実現可能となります。

まとめ:間接照明は商業施設の「空間価値」を高める鍵

商業施設における間接照明は、単なる「明るさの確保」を超えて、来店客の心理に寄り添う空間演出を実現する重要な要素です。居心地のよさ、高級感、ブランドの世界観、そして購買意欲まで──光のデザインが与える影響は計り知れません。今後、競合との差別化や集客力の強化を狙うなら、間接照明を戦略的に取り入れることが不可欠です。設計段階から照明計画を見直し、効果的な照明デザインで商業施設の価値を高めましょう。