GLOSSARY

レストラン照明コレクション

(株)桜井屋灯具店では、下記事業を展開しています。
・オリジナルプロダクトの企画・設計・製作・販売
・特注照明の設計・製作
・他社既製品照明の卸販売・2次加工
・アンティーク照明の修理・復元
・輸入照明の日本仕様への組み替え及びPSE適合加工
・照明計画設計

・プロダクト一覧
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・特注照明について
https://sakuraiya-touguten.com/custom-made
・会社概要
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レストラン照明コレクションとは?

レストラン照明コレクションとは、飲食空間の目的・ブランド・時間帯・顧客体験に合わせた照明器具・配置・制御シナリオを体系化した設計アセット群です。単一の照明機器の選定ではなく、エントランスからダイニング、バー、個室、厨房、外席までを含むゾーニング、器具仕様、配光設計、調光・シーングラミング、保守ポリシーをパッケージ化して提供します。コレクション化することで、ブランド一貫性の確保、導入効率化、運用マニュアルの標準化、ROI試算の簡便化が可能になります。

目的と価値提案

  • • ブランド演出:照明で店の個性(ラグジュアリー、カジュアル、モダン、トラディショナル)を明確に表現。
  • • 顧客体験向上:色温度・照度・陰影で食欲、滞在時間、会話のしやすさを最適化。
  • • 運用効率化:プリセットシーンと自動スケジュールでスタッフの手間を削減。
  • • 省エネ・コスト管理:LED化・自動調光・ゾーニングで光熱費を最小化。
  • • 一貫した施工と保守:仕様統一により交換部品の共通化、保守性向上。

コレクションはデザイン指針と技術仕様をセットにし、チェーン展開や複数拠点運用で特に効果を発揮します。

コレクションの構成要素

  1. 1. コンセプトパレット• ブランドカラー/ムードボード、推奨色温度レンジ、演出キーワード。
  2. 2. ゾーニングガイド• 各エリアの照度目標、均斉度要件、配光タイプ(スポット/ウォッシュ/間接)。
  3. 3. 器具カタログと仕様• フィクスチャ種別(ダウンライト、スポット、ペンダント、間接ライン、ウォールウォッシャー、テーブルライト、外装ライト)とIP・CRI・lm/W・配光角・調光方式。
  4. 4. 制御シナリオ集• 開店準備/ランチ/ディナー/バータイム/クリーニング/非常時などのプリセットシーンとタイムスケジュール。
  5. 5. 配線・コントロール図面• 電源・制御線ルーティング、ゲートウェイ位置、センサー配置。
  6. 6. メンテナンス計画とマニュアル• 定期清掃頻度、部品交換周期、保守チェックリスト。
  7. 7. ROIモデルと導入テンプレート• 機器コスト、施工費、年間削減見込、補助金適用例。

 

これらをテンプレート化すれば、設計期間短縮と品質保証が実現します。

デザイン指針(光の質と配置)

  • • 色温度と用途• ダイニング(暖色系2,700–3,200K):食材の色合いを豊かに見せ、居心地を向上。
  • • バー・ラウンジ(暖色~中間色2,700–4,000K):ドラマ性と落ち着きを両立。
  • • キッチン・バックヤード(昼白色4,000–5,000K):作業精度と安全性を確保。
  • • 明暗設計(ライトシェイピング)• テーブル主照明はローカルスポットで顔の明るさを確保、天井間接で空間のベース照度をつくる。
  • • 照明コントラストで焦点を作り、料理やディスプレイを引き立てる。
  • • 演色性(CRI)• 食材の見え方に直結するためCRI≥90を推奨。特に肉や魚、鮮やかな野菜を扱う店舗ではCRI95を検討。
  • • グレア管理• 反射・まぶしさ対策にディフューザー、フード、傾斜配光を使用。顧客のテーブル面に直射が入らない調整を徹底。
  • • 可変性(調光・調色)• 日中から夜間、イベントや季節に合わせた色温度/輝度シーンを用意。人感や照度センサーで自動化。

 

制御・シナリオ設計とスマート運用

  • • 基本制御アーキテクチャ• ハブ型(DALI/0–10V/DIMM)または無線Mesh(Bluetooth/Zigbee/Matter)を選定。複数拠点はクラウド管理が有効。
  • • 代表的シーン例• モーニング/ランチ:自然光利用率を高め、全体を明るめに。
  • • サービスピーク:適度な明るさで作業性確保、テーブル局所はやや低めで快適さ優先。
  • • ディナー/ロマンティック:色温度低下・照度低下でムード演出。
  • • バーテンダーショー:スポット強調+動的カラー演出(限定)
  • • 緊急時:誘導灯連動で安全ルートを確保。
  • • センサー連携• ドア開閉、在席検知、テーブル予約連動で自動最適化。
  • • 運用ダッシュボード• 稼働ログ、消費電力量、故障アラートを可視化し、メンテ計画と改善施策に活用。

 

導入プロセスと現場運用の注意点

  1. 1. 現地リサーチ• 天井高さ、窓面、外光量、内装色、床反射率、家具レイアウトを定量測定。
  2. 2. コンセプト決定とムードボード作成
  3. 3. 照明設計と光学シミュレーション(照度マップ・眩光評価)
  4. 4. プロトタイプ・試験設置(1ゾーンで実演)
  5. 5. フル導入とプログラミング、スタッフトレーニング
  6. 6. 運用フェーズ:月次レポートで使用実態を確認しチューニング

注意点:家具や食器の反射、テーブルごとの高さ差、照明器具の微調整、換気による照明振動対策を事前に検証。

メンテナンス・保証と長期TCO

  • • メンテナンス計画• レンズ・フィルター清掃:3–6ヶ月毎。
  • • LED光束・色温度キャリブレーション:年1回。
  • • シール/Oリング(外部器具):2–3年毎交換。
  • • 保証と交換ポリシー• LEDモジュール:最低5年保証、推奨10年の供給確保。
  • • ドライバーとコントローラー:3–5年保証、ファーム更新提供。
  • • 長期TCO管理• 導入時にランプ寿命、交換工数、電力削減額、補助金を含めたNPV分析を実施。
  • • 在庫共通化(器具・電源・配線部材)で交換コストを低減。

 

保守契約を含むパッケージ化で、運用負荷と突発費用を平準化できます。

投資回収(ROI)モデル例

  • • 小規模レストラン(テーブル20台、器具総数40台、年間稼働3,000h)• 初期投資(LED+制御+施工):約200万円
  • • 年間電力削減(従来比60%):約40万円
  • • メンテ削減(ランプ交換・作業):約10万円/年
  • • 投資回収期間:約200万 ÷ (40万+10万) ≒ 4年
  • • チェーン店舗では標準化効果で施工単価と保守費が低減し、拡大投資回収はさらに短縮。

ケーススタディ(短縮版)

  • • 高級レストラン:CRI95のスポットと暖色間接で料理の質感を最優先、顧客滞在時間延長と単価上昇を実現。
  • • カジュアルダイナー:可変シーンで昼夜の異なる客層に対応、ピーク帯の省エネ化で運営費削減。
  • • 屋外テラス:IP65のライン照明と暖色光で雰囲気維持、夜間照度は歩行安全基準を満たす設定。

ベンダー選定のチェックリスト

  • • デザイン実績:飲食業界での導入事例数と顧客評価。
  • • 技術対応力:CRI・色温度キャリブレーション、光学シミュレーション提供。
  • • 制御互換性:既存BMSや予約システムとの連携実績。
  • • 保守体制:夜間対応、代替機貸与、部品長期供給の約束。
  • • コスト透明性:機器・施工・保守のトータル提示。

複数提案を比較し、KPI(滞在時間、客単価、電力削減率)で評価してください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 小規模店舗でもコレクションは有効ですか?
A1. 有効です。スケールダウンしたテンプレートで設計時間と運用工数を削減できます。

Q2. 色温度は固定が良いか可変が良いか?
A2. 可変(調光・調色)が推奨。昼夜やイベントで柔軟に演出できるためROIが高まります。

Q3. スマート制御は難しくないか?
A3. 初期設定は専門業者が行い、スタッフ向けに簡易操作パネルを用意すれば日常運用は容易です。

Q4. 衛生面(清掃)への配慮は?
A4. 器具は清掃性を重視した形状・材質を選び、防水・防塵仕様を適用することが重要です。

Q5. 補助金は使えるか?
A5. 地方自治体や経産省の省エネ補助金やグリーン投資減税の対象となる場合が多いです。

まとめと次のステップ

レストラン照明コレクションは、ブランド表現と運用効率、顧客体験向上を同時に達成するための実践的な設計資産です。まずは現地計測とムードボード作成から始め、ゾーニングとプロトタイプ検証を経てフル導入へ進めましょう。導入後は運用ログを用いた継続的チューニングで効果を最大化し、チェーン展開や季節イベントにも素早く対応できる体制を整えてください。

光のデザインで料理の価値を引き上げ、滞在を豊かにする。レストラン照明コレクションはそのための戦略的ツールです。