GLOSSARY

照明システム

(株)桜井屋灯具店では、下記事業を展開しています。
・オリジナルプロダクトの企画・設計・製作・販売
・特注照明の設計・製作
・他社既製品照明の卸販売・2次加工
・アンティーク照明の修理・復元
・輸入照明の日本仕様への組み替え及びPSE適合加工
・照明計画設計

・プロダクト一覧
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・特注照明について
https://sakuraiya-touguten.com/custom-made
・会社概要
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照明システムとは?

照明システムとは、空間に必要な明るさや色彩を演出するために、照明器具(フィクスチャ)、制御装置、電源・配線、センサー、操作インターフェース、ソフトウェアを統合的に組み合わせて管理・運用するプラットフォームです。単なる照明器具の集合体ではなく、用途や時間帯、来訪者の動きに応じて自動調光やシーン切り替えを行い、省エネルギー性と快適性、安全性、演出効果を同時に実現します。

定義と目的

照明システムは次の目的で導入されます。

  • • 空間の用途に合わせた最適照度の確保
  • • 色温度や演色性による雰囲気演出
  • • タイマーやセンサー連動での自動制御
  • • 省エネルギー化とランニングコスト削減
  • • 遠隔監視による運用効率向上

これらを組み合わせ、居住性や作業効率、ブランド体験を高めます。

システム構成要素

照明システムは主に以下の要素で構成されます。

  • • 照明フィクスチャ:LEDパネル、スポット、間接照明など多様な形状
  • • 制御装置・ドライバー:調光・シーン切り替えを担う電子機器
  • • 電源・配線インフラ:AC/DC給電盤、PoEネットワークスイッチ、ケーブル類
  • • センサー類:照度センサー、人感センサー、温度センサーなど
  • • 操作インターフェース:スイッチ、タッチパネル、スマホアプリ、音声コントロール
  • • 管理ソフトウェア:スケジューラ、シーンエディタ、遠隔監視ダッシュボード

これらを統合し、ユーザー要件に合わせた最適な構成を設計します。

主なシステム種類

用途や規模に応じて選ばれる代表的なシステムは次のとおりです。

  • • シンプル点灯システム:オン/オフのみの基本制御
  • • 調光システム:0–10V、DALI、PWMによる明るさ調整
  • • カラー演出システム:RGB/RGBWで多彩な色表現を実現
  • • 自動制御システム:照度・人感センサーで自律運転
  • • ネットワーク統合システム:Ethernet/PoEや無線で一元管理

用途に応じて適切なタイプを組み合わせることが重要です。

制御方式と通信プロトコル

制御方式はシステム規模や既存インフラに合わせて選択します。

  • • DMX512/Art-Net/sACN:舞台演出やショー制御向け
  • • DALI-2:建築照明との統合に最適
  • • 0–10V/1–10V:既存アナログ設備と併用可能
  • • PoE(Power over Ethernet):LANケーブル一本で給電・制御
  • • Bluetooth Mesh/Zigbee/Wi-Fi:スマホ操作や小規模展開に便利

複数プロトコルをゲートウェイで橋渡しし混在環境にも対応可能です。

光学設計と演色性

空間演出と視認性を両立させるための光学設計要件です。

  • • 配光制御:レンズやリフレクターでスポットからウォッシュまで調整
  • • 色温度:暖色(約2,700K)から昼白色(約6,500K)まで可変
  • • 演色性(CRI/TLCI):80以上を標準、90以上で高忠実度再現
  • • 均一性:モジュール配置と拡散カバーでムラを抑制

これにより、空間の用途やシーンに合わせた最適な光環境を実現します。

電源・配線インフラ

信頼性と将来拡張性を担保する給電・配線設計です。

  • • AC100V/200V給電:従来の建築配電盤と連携
  • • DC24V/PoE給電:分散システムやIoT照明に適合
  • • 緊急電源(UPS):停電時の非常灯や誘導灯を確保
  • • ケーブル管理:ダクト配線・ノイズシールド・ストレインリリーフを徹底

電源計画は冗長性やメンテナンス性を踏まえて設計します。

センサー・自動化機能

照度や人の動きを検知し自動制御を行う機能です。

  • • 照度連動調光:自然光量を補正し常に一定の明るさを維持
  • • 人感連動点灯/減光:不在時は消灯・省エネモードへ移行
  • • タイムスケジューラ:曜日・時間帯でシーン切替を自動化
  • • 外部システム連携:警報や建物管理システムと同期して制御

これにより、快適性と省エネルギー性を両立します。

設置・施工のポイント

現場導入時の実務的留意点です。

  • • 現地調査:天井高さ、動線、既存配線、電源容量を詳細に確認
  • • 固定・支持:機器重量や風圧、振動に耐えるブラケット設計
  • • 配線管理:ケーブルダクト、ノイズ対策、ストレインリリーフを徹底
  • • 初期調整:シーン、輝度、センサー感度を現地で最適化
  • • 操作教育:現場担当者にマニュアルとトレーニングを提供

これらを徹底することで立ち上げ後のトラブルを抑制します。

運用・メンテナンス管理

長期安定稼働を支えるための運用体制です。

  • • 定期点検:器具の外観、配線・接続部、センサー動作を年1~2回確認
  • • 清掃保守:ディフューザーやレンズの汚れを除去し光学性能を維持
  • • ソフトウェア更新:制御プラットフォームやセンサーFWのOTA対応
  • • ログ分析:点灯時間、消費電力、故障履歴を収集し予防保守に活用
  • • 予備部品管理:LEDモジュール、ドライバー、センサーの在庫を確保

これにより、ダウンタイムと保守コストを最小化します。

適用事例と導入効果

照明システムがもたらす代表的な成果です。

  • • オフィス:照度自動制御で生産性20%向上、省エネ率50%
  • • 商業施設:カラー演出で来店者数15%増、滞在時間延長
  • • 展示会・舞台:DMX制御でダイナミックなショー演出を実現
  • • 工場・倉庫:人感連動でエネルギー消費30%削減、安全性向上
  • • 屋外街路灯:日射連動とタイマー調光で年間電力20%カット

これらの効果により、投資対効果を最大化できます。

投資回収(ROI)とコスト設計

導入効果を金額ベースで評価する指標です。

  • • 初期コスト:照明器具、制御機器、施工費用
  • • 削減効果:電力使用量、省エネ補助金、メンテナンス工数削減
  • • 効果指標:kWh削減量、CO₂削減量、運用工数削減
  • • ROIモデル:中規模オフィス100灯導入で初期500万円、年間160万円削減、回収約3年
  • • LCC評価:10年サイクルで更新コストと運用コストを最適化

補助金や税制優遇の活用で回収期間をさらに短縮可能です。

ベンダー選定のポイント

最適なパートナー選びのチェック項目です。

  • • 実績・事例:同規模・同用途での導入経験と稼働実績
  • • 技術サポート:設計シミュレーション、現地調整、運用トレーニング体制
  • • 製品スペック:光束、演色、消費電力、寿命保証
  • • 制御互換性:必要プロトコル対応、API連携の可否
  • • コスト透明性:機器・施工・保守・消耗品を含むTCOの提示

これらをRFPに反映し、総合的に評価してください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 既存のスイッチと併⽤できますか?
既存の0–10VやDALIインフラとはゲートウェイを介して統合可能です。

Q2. ネットワーク断⽌時のフェールセーフは?
ローカルプリセット機能により通信断でも最後の設定を保持して稼働します。

Q3. フリッカー対策は必須ですか?
16bit PWMや高周波数制御を採用することで撮影対応のフリッカーフリー運用が可能です。

Q4. 屋外環境で使⽤する際のIP等級は?
屋外常設ではIP65以上、完全浸水リスクがある場合はIP67/IP68を選定してください。

まとめと次のステップ

照明システムはハードとソフトを連携させ、空間体験と省エネを両立する統合プラットフォームです。まずは導入目的とKPIを明確化し、現地調査・シミュレーションを実施してください。次にPoCで制御品質と運用性を検証し、複数ベンダー提案を比較しながら詳細設計を進めましょう。導入後は遠隔監視と予防保守を徹底し、継続的な最適化サイクルを回すことで、照明投資の価値を最大化できます。光をデザインし、空間の価値を創造しましょう。