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ダブルシェード照明

(株)桜井屋灯具店では、下記事業を展開しています。
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ダブルシェード照明とは?

ダブルシェード照明の定義

ダブルシェード照明とは、窓まわりに設置する「二重構造のシェード(ドレープ生地+レース生地)」を活用し、室内への光の取り入れ方や間接光の演出を柔軟にコントロールするインテリア照明手法です。シェード自体が光を拡散・遮蔽するため、窓辺の採光管理と室内の間接照明効果を同時に実現できます。住宅・オフィス・店舗・宿泊施設など、採光とプライバシー、演出性を両立したい空間で採用されます。

仕組みと動作原理

ダブルシェードは前面に薄手のレース生地、背面に厚手のドレープ生地を備え、各生地を個別に上下操作できる構造が基本です。操作により以下のような光制御が可能です。

  • • レースのみ展開:外光を柔らかく拡散し、眩しさを抑えながら自然光を取り入れる。間接光として室内を穏やかに照らす。
  • • ドレープのみ展開(レースを格納):遮光・断熱・視線遮断を優先し、暗室やプライバシー確保に有効。
  • • 両方格納:窓をフルに開放し、最大の採光を得る。
  • • 両方展開:レースで拡散、ドレープで部分遮蔽するなど、微妙な光量調整や演出が可能。

シェードの素材や色、織り方によって光の透過率や拡散特性が変わるため、照明効果は生地選定で大きく左右されます。間接照明的に使う場合は、窓面を「柔らかな光源」として扱い、室内の照度バランスを設計します。

ダブルシェード照明のメリット

採光とプライバシーの両立

レースで柔らかく採光しつつ、ドレープで視線を遮ることで日中の快適性と夜間のプライバシーを両立できます。

間接光としての演出効果

窓面を通じた拡散光は、直接照明よりも目に優しく空間の雰囲気を高めます。色温度や生地の色味で温かみやクールさを演出可能です。

断熱・遮熱効果

厚手のドレープは断熱性が高く、夏の直射熱や冬の放射冷却を抑えることで冷暖房負荷を低減できます。

インテリア性の向上

二重構造は窓辺に奥行きと質感を与え、カーテンだけでは得られないデザイン性を提供します。

メンテナンスの集中化

光源を窓側に頼る設計にすることで、室内照明の稼働時間を抑えられ、電力消費の最適化に寄与します(設計次第)。

デメリットと注意点

初期コストと施工精度

二重生地・専用メカ・正確な採寸が必要なため、既製カーテンより初期費用が高くなる場合があります。取り付け精度が仕上がりに直結します。

たたみ厚と窓周りの収まり

二重構造はたたみ時の厚みが増し、窓枠やブラインドボックスのクリアランスを確保する必要があります。

生地の選定と光の色味

生地の色や織り方で室内の色温度や色再現性が変わるため、家具や壁色との調和を考慮する必要があります。

メンテナンス

二重生地は洗濯やクリーニングの手間が増える場合があるため、取り外しやすさや洗濯表示を確認しておくことが重要です。

選び方(実務的チェックリスト)

  1. 1. 目的を明確にする:採光重視か遮光重視か、断熱性や防音性も必要かを決める。
  2. 2. 生地の透過率と遮光等級:レースは透過率、ドレープは遮光等級(遮光1級〜3級)を確認。
  3. 3. 色温度と色味の整合:室内照明や家具の色と合わせ、昼夜での見え方を想定する。
  4. 4. 操作方式:手動チェーン、コード、電動(リモコン・スマート連携)を選定。電動は高所窓や利便性重視に有効。
  5. 5. 取り付け方法:天井付け/正面付けのどちらが収まり良いかを現地で確認。
  6. 6. たたみ厚の確認:窓枠やカーテンボックスのクリアランスを測る。
  7. 7. メンテ性:取り外しやすさ、洗濯表示、交換部品の入手性を確認。
  8. 8. 安全性:チェーン式はチャイルドセーフティ対策、電動は電気安全規格の適合を確認。

具体的導入事例と効果

住宅(リビング)

  • • 課題:昼間は自然光を取り入れたいが、夕方以降は外からの視線が気になる。
  • • 解決:レースで昼間の拡散光を確保し、夕方はドレープで遮光。間接光として窓面を使うことで室内の照明を抑え、電気代の低減にも寄与。

ホテル客室

  • • 課題:ゲストのプライバシー確保と快適な採光を両立したい。
  • • 解決:電動ダブルシェードを採用し、チェックイン時はドレープで遮光、日中はレースで柔らかな採光を提供。客室の雰囲気向上と清掃効率の改善が見られる。

オフィス・会議室

  • • 課題:ディスプレイ作業時の眩光抑制と会議時の遮光を両立したい。
  • • 解決:レースで拡散光を確保しつつ、必要時にドレープで遮光。窓面を間接光源として使うことで照度ムラを抑え、視認性を改善。

店舗(ショールーム)

  • • 課題:商品を見せつつ外光の影響をコントロールしたい。
  • • 解決:レースで外光を柔らかく取り入れ、ドレープで商品展示に応じたスポット照明と組み合わせることで演出効果を高める。

導入コストと回収の考え方

  • • 初期費用:生地(レース+ドレープ)、専用メカ(手動/電動)、施工費、採寸費。電動化や高機能生地(遮熱・防炎・防音)はコスト増。
  • • ランニングコスト:電動の場合は稼働電力(微小)、洗濯・クリーニング費用、交換部品費。
  • • 回収要素:断熱による冷暖房費削減、間接光活用による照明電力削減、空間価値向上による賃料・販売促進効果。
  • • 試算の考え方:冷暖房削減率や照明稼働時間の低減を見積もり、初期投資を年間削減額で割って回収年数を算出。商業用途では演出効果による売上増も考慮する。

設置・施工とメンテナンスの実務ポイント

  • • 現地調査:窓枠寸法、開閉障害物、電源位置(電動時)を確認。たたみ厚とクリアランスを測定。
  • • 施工:水平・垂直の精度が仕上がりに直結するため、専門業者による取り付けを推奨。電動は配線・安全対策を確実に。
  • • メンテナンス:定期的なホコリ除去、洗濯表示に従ったクリーニング、チェーンやドラムの動作確認。電動機構は定期点検で寿命を延ばす。
  • • トラブル対処:たたみムラや偏りが出た場合は調整ネジやテンションを調整。生地の色あせや劣化は早めに交換を検討。

最新トレンドと今後の展望

  • • 電動化とスマート連携:スマートホーム連携(スケジュール・センサー連動)で自動採光管理が普及。
  • • 高機能生地の進化:遮熱・断熱・防音・抗菌など多機能生地の採用が増加。
  • • サステナブル素材:リサイクル繊維や低環境負荷加工の採用が進む。
  • • デザインの多様化:薄型メカやフラットな見付けでインテリアに溶け込む設計が主流に。
  • • 商業演出との融合:照明制御と連動した色温度・明るさの演出でブランド体験を強化。

よくある質問(FAQ)

Q. 電動にするメリットは?
A. 高所窓や大きな窓での操作性向上、スマート連携による自動化、省力化が主なメリットです。

Q. 子どもやペットがいる家庭での安全対策は?
A. チェーン式はチャイルドセーフティ機構を備えた製品を選び、電動は配線と操作パネルの位置に注意してください。

Q. 洗濯はどうすれば良い?
A. 生地の洗濯表示に従い、取り外し可能なタイプは家庭洗濯または専門クリーニングを利用。頻繁な洗濯は生地寿命を短くするため、ホコリ除去をこまめに行うと良いです。

まとめ

ダブルシェード照明は、採光・遮蔽・演出を一台で柔軟に実現する窓周りソリューションです。適切な生地選定、正確な採寸・施工、メンテナンス計画を組み合わせることで、快適性・省エネ性・デザイン性を同時に高められます。電動化やスマート連携、高機能生地の採用により、今後ますます多様な空間での採用が期待されます。