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和室照明

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OUTLINE

和室照明とは?日本の空間美と暮らしやすさを両立させる照明の基本【本文】

和室照明とは何か

和室照明とは、畳や障子、襖といった日本独自の空間構成に合わせて設計・選択される照明のことを指します。単に部屋を明るくするための設備ではなく、和室特有の「落ち着き」「余白」「陰影」を活かすための重要な要素です。

和室は、洋室と比べて光の受け方が大きく異なります。畳は光をやわらかく吸収し、障子は直射光を拡散させ、木材は光に温かみを加えます。そのため、同じ明るさの照明を使っても、空間の印象は大きく変わります。和室照明は、こうした素材の特性を理解したうえで考える必要があります。

なぜ和室には「和室向け照明」が必要なのか

洋室用照明では違和感が出やすい理由

和室に洋室用の照明をそのまま設置すると、「明るいけれど落ち着かない」「部屋の雰囲気と合わない」と感じることがあります。その理由は、光の質と空間の相性にあります。

洋室向けの照明は、壁紙やフローリングの反射を前提に設計されていることが多く、直線的で強い光になりがちです。一方、和室は光を柔らかく受け止める素材で構成されているため、強すぎる光は空間の良さを打ち消してしまいます。

和室は「陰影」を楽しむ空間

和室の魅力は、すべてを均一に明るくすることではありません。明るい部分と、あえて暗さを残す部分のバランスによって、空間に奥行きと落ち着きが生まれます。

和室照明を考える際には、「どこまで明るくするか」よりも、「どこに影を残すか」という視点が重要になります。これは洋室照明との大きな違いです。

和室照明が果たす3つの役割

空間の雰囲気を整える役割

和室は、くつろぎや来客対応、仏間、寝室など、多目的に使われることが多い空間です。そのため、照明には空間全体の雰囲気を整える役割が求められます。

落ち着いた光に包まれた和室は、自然と心を静かにし、ゆったりとした時間を演出します。照明は、和室の「空気感」をつくる存在です。

生活動線を支える役割

和室は、床に座る・寝転ぶといった低い目線で使われることが多い空間です。そのため、照明の位置や光の広がり方が非常に重要になります。

天井だけを強く照らす照明では、床面が暗く感じられることもあります。和室照明は、生活動線を意識しながら、必要な場所に光が届くことが求められます。

心理的な安心感を生み出す役割

柔らかく広がる光は、人に安心感を与えます。和室は、もともと「心を落ち着かせる」ことを目的とした空間です。照明がその役割を邪魔してしまっては、本末転倒です。

和室照明は、主張しすぎず、空間に溶け込むことが理想とされます。

和室照明の基本的な考え方

明るさは「控えめ」を基準に考える

和室照明では、洋室と同じ感覚で明るさを求めると、過剰になりやすい傾向があります。畳や障子は光をやわらかく拡散するため、数値以上に明るく感じられることもあります。

必要以上に明るくしないことで、和室本来の落ち着きが保たれます。「少し暗いかな」と感じるくらいが、実はちょうど良い場合も多いのです。

光の色が空間の印象を左右する

和室照明では、光の色も非常に重要です。白すぎる光は、畳や木材の色味と相性が悪く、冷たい印象になりがちです。

和室では、温かみのある光が素材の良さを引き立てます。光の色ひとつで、同じ和室でも印象は大きく変わります。

和室照明と畳・障子の関係

畳が光に与える影響

畳は光を強く反射せず、やわらかく吸収する性質があります。そのため、光が目に直接刺さるような眩しさが出にくくなります。一方で、光量が足りないと暗く感じやすい面もあります。

和室照明では、畳の反射特性を考慮し、均一に光が回るような設計が重要になります。

障子が生み出す拡散光の美しさ

障子は、直射光を和らげ、部屋全体に柔らかく広げる役割を持っています。和室照明と障子が組み合わさることで、独特の穏やかな明るさが生まれます。

この拡散された光こそが、和室らしさを演出する大きな要素です。

和室照明は「用途」で考える

和室の使い方は家庭によって異なります。来客用、寝室、子供の遊び場、趣味の部屋など、用途によって必要な明るさや照明の役割は変わります。

そのため、和室照明は「部屋として」ではなく、「使い方」を基準に考えることが重要です。多目的な和室ほど、照明の柔軟性が求められます。

和室照明が与える生活リズムへの影響

和室は、寝室やリラックススペースとして使われることも多く、照明が生活リズムに与える影響は小さくありません。夜に強い光を浴び続けると、心身が休まりにくくなります。

落ち着いた和室照明は、自然と気持ちを切り替え、休息へと導く役割を果たします。和室照明は、単なる明かりではなく、生活のリズムを整える装置でもあります。

和室照明を後回しにしないために

和室は「たまに使う部屋」として扱われ、照明が後回しにされがちです。しかし、使う頻度が低いからこそ、居心地の良さが重要になります。

照明が整った和室は、「せっかくあるから使おう」と思える空間になります。逆に、照明に違和感があると、自然と足が遠のいてしまいます。

和室照明の種類とそれぞれの特徴

和室照明とひと口に言っても、その種類はさまざまです。形状や設置方法によって、空間に与える印象や使い勝手は大きく変わります。和室らしさを活かすためには、それぞれの照明の特徴を理解したうえで選ぶことが重要です。

シーリングライトタイプの和室照明

最も一般的なのが、天井に直接取り付けるシーリングライトタイプの和室照明です。部屋全体を均一に照らすことができ、来客対応や日常生活のベース照明として使いやすい点が特徴です。

和室向けのシーリングライトは、カバー部分に和紙調素材や木枠を使用しているものが多く、光が柔らかく広がる設計になっています。洋室用のシーリングライトと比べると、直線的な光ではなく、拡散性を重視している点が和室向けならではの特徴です。

ペンダントライトタイプの和室照明

天井から吊り下げるペンダントライトは、和室にアクセントを加えたい場合に向いています。光源が低くなることで、空間に陰影が生まれ、落ち着いた雰囲気を演出しやすくなります。

和室で使用する場合は、存在感が強すぎないデザインを選ぶことがポイントです。主張しすぎる照明は、和室特有の静けさを損なってしまうことがあります。あくまで空間に溶け込むような佇まいが求められます。

間接照明としての和室照明

和室と非常に相性が良いのが、間接照明です。壁や天井、床に光を反射させることで、直接光源を見せずに空間を照らします。

間接照明は、和室の「陰影」を活かすのに最適です。すべてを明るく照らすのではなく、あえて暗さを残すことで、奥行きと静けさが生まれます。特にくつろぎを重視する和室では、間接照明があるだけで空間の質が大きく変わります。

和室にLED照明は合うのか

近年、照明の主流となっているLED照明ですが、「和室にLEDは合わないのでは」と不安に感じる方も少なくありません。しかし、結論から言えば、選び方さえ間違えなければLEDは和室にも十分適しています。

LED照明が敬遠されがちな理由

LED照明に対して、「白くて冷たい光」「人工的な印象」というイメージを持っている方も多いかもしれません。これは、初期のLED照明にそのような製品が多かったことが原因です。

しかし現在では、光の色味や拡散性に配慮した和室向けLED照明が数多く登場しています。素材や構造によって、従来の蛍光灯と遜色ない柔らかさを実現している製品も増えています。

LED照明を和室で使うメリット

LED照明は消費電力が少なく、長寿命である点が大きなメリットです。和室は使用頻度が一定でないことも多いため、交換の手間が少ないLED照明は相性が良いと言えます。

また、調光や光色の切り替えができる製品を選べば、昼間と夜で雰囲気を変えることも可能です。多目的に使われる和室では、こうした柔軟性が非常に役立ちます。

和室照明でよくある失敗例

和室照明は、少しの選択ミスで「違和感のある空間」になってしまうことがあります。ここでは、実際によく見られる失敗例を紹介します。

明るさを求めすぎてしまったケース

「暗いと困るから」と、必要以上に明るい照明を選んでしまうケースは少なくありません。その結果、和室本来の落ち着きが失われ、洋室のような印象になってしまいます。

和室照明では、明るさの数値よりも「どう感じるか」が重要です。過剰な明るさは、くつろぎの妨げになることもあります。

デザイン優先で実用性を見落としたケース

見た目に惹かれて選んだ照明が、実際に使ってみると暗すぎたり、光が偏っていたりすることもあります。和室照明は、インテリア性と実用性のバランスが非常に重要です。

「雰囲気は良いけれど使いにくい」という状態は、結果的にその部屋を使わなくなる原因にもなります。

賃貸住宅の和室でできる照明の工夫

賃貸住宅では、照明に関して自由度が低い場合もあります。しかし、工夫次第で和室の照明環境を改善することは可能です。

既存照明を活かしながら雰囲気を変える

天井照明を変えられない場合でも、補助照明を追加することで空間の印象は大きく変わります。床に置く照明や棚の上の間接照明を取り入れるだけでも、和室らしい落ち着きが生まれます。

賃貸では「大きく変えない」ことがポイントです。今ある照明を主役にしつつ、脇役の光で雰囲気を整えるという考え方が有効です。

和室照明と和モダンスタイルの相性

近年人気の和モダンスタイルでは、和室照明の選び方がより重要になります。伝統的な和の要素と、現代的なデザインを融合させるためには、照明が橋渡し役となります。

シンプルな形状で素材感を活かした照明は、和モダン空間によく馴染みます。過度な装飾を避け、光そのものの質で魅せることが、和モダン照明のポイントです。

和室照明は「引き算」で考える

和室照明を選ぶ際に大切なのは、「何を足すか」よりも「何を足さないか」です。光を足しすぎないことで、和室は本来の魅力を発揮します。

必要な場所に、必要な分だけ光を届ける。この引き算の考え方こそが、和室照明を成功させる最大のコツです。