GLOSSARY

瞑想照明

(株)桜井屋灯具店では、下記事業を展開しています。
・オリジナルプロダクトの企画・設計・製作・販売
・特注照明の設計・製作
・他社既製品照明の卸販売・2次加工
・アンティーク照明の修理・復元
・輸入照明の日本仕様への組み替え及びPSE適合加工
・照明計画設計

・プロダクト一覧
https://sakuraiya-touguten.com/products
・特注照明について
https://sakuraiya-touguten.com/custom-made
・会社概要
https://sakuraiya-touguten.com/about
詳しくはお問い合わせフォームよりお問い合わせください。

CONTACT US

瞑想照明とは

瞑想照明とは、瞑想やマインドフルネス、ヨガ、呼吸法、リラクゼーションなどを行う空間において、精神的に落ち着きやすい光環境をつくるための照明を指す言葉です。
一般的な照明のように「部屋を明るくすること」だけを目的とするのではなく、光の明るさ、色温度、光の方向、配光、光源の見え方、影の出方などを考えながら、静かで集中しやすい雰囲気をつくることが重視されます。
瞑想では、目を閉じたり視線を一点に落としたりする時間が長くなるため、照明器具そのものが強く目に入る環境は必ずしも適していません。
まぶしさの強い照明や、視界に直接光源が入る照明よりも、光を壁や天井に反射させる間接照明、光源をシェードで覆った拡散照明、低い位置から穏やかに照らす照明などが、瞑想空間の雰囲気づくりに活用されます。
「瞑想照明」という言葉には、特定の照明器具だけを意味する明確な規格があるわけではありません。
そのため、ペンダントライト、スタンドライト、フロアライト、ブラケットライト、間接照明、テーブルランプ、調光機能付きLED照明など、さまざまな照明器具が瞑想空間の構成に利用できます。
重要なのは器具の種類だけではなく、どのような光を、どの程度の明るさで、どの方向から空間に届けるかという「光環境」の考え方です。

瞑想照明で重要になる「明るさ」

瞑想照明を考える際に最初に意識したいのが照度です。
照度とは、ある面にどれだけ光が届いているかを表す数値で、単位にはルクス(lx)が使用されます。
一般的な作業空間では、文字を読む、細かな作業をする、パソコンを見るなどの目的に応じて十分な明るさが必要になります。
一方、瞑想空間では、細かな視作業を行う必要がないため、作業用照明と同じような明るさを常に確保する必要はありません。
ただし、「暗ければ暗いほど瞑想に適している」というわけでもありません。
極端に暗い環境では、足元や周囲の安全確認が難しくなったり、不安を感じたりする場合があります。
また、瞑想する人によって好みの明るさも異なります。
そのため、瞑想照明では、必要な視認性を確保しながら、空間全体を穏やかに感じられる明るさに調整できることが重要になります。
特に便利なのが調光機能です。
調光とは、照明の明るさを連続的または段階的に変える機能です。
昼間はある程度明るく、夜の瞑想では光量を落とすなど、時間帯や用途に合わせて光環境を変えられます。
瞑想照明を選ぶ際には、単純に「暗い照明」を探すのではなく、「明るさを調整できる照明」という考え方を取り入れると、より柔軟な空間づくりが可能になります。

色温度と瞑想照明

瞑想照明を考えるうえで、照度と並んで重要なのが色温度です。
色温度は光の色味を表す指標で、単位にはケルビン(K)が使われます。
一般的に、色温度が低い光は赤みや黄色みを帯びた暖色系の光になり、色温度が高くなるほど白色や青白い光になります。
住宅照明では、電球色と呼ばれる暖かみのある光が、リビングや寝室、リラクゼーションスペースなどで使用されることがあります。
瞑想照明においても、暖色系の光は空間を穏やかに見せる方法の一つです。
特に夕方から夜にかけて瞑想する場合、昼間のオフィスのような白く明るい光よりも、暖かみのある光のほうが空間の雰囲気を落ち着かせやすいでしょう。
研究でも、照明の色温度や照度が人の生理状態や眠気などに影響する可能性が検討されています。
たとえば、低色温度の3000Kと高色温度の5000Kを比較した研究では、3000Kの照明条件で中枢神経系の活動が緩やかに低下する傾向や、眠気の主観評価が高くなる結果が報告されています。
また、夜間に高色温度の光を使用することと、概日リズムの位相との関連を調べた研究もあります。
ただし、色温度だけで「リラックスできる」「瞑想できる」と一律に決まるわけではありません。
光の強さ、照明を見る角度、光源の大きさ、周囲の壁や床の色、時間帯など、さまざまな条件を合わせて考える必要があります。

暖色系の光がつくる瞑想空間

瞑想照明では、暖色系の光を使って空間に落ち着いた印象を与える方法があります。
例えば、白い光を部屋全体に均一に照らすのではなく、暖かみのある光を壁面や床面に配置すると、空間に明暗の変化が生まれます。
これによって、単調に明るい空間とは異なる、静かな雰囲気を演出できます。
和紙シェード、布シェード、乳白ガラスなどを通した光も、光源から直接目に入る光をやわらげる方法として利用できます。
特にシェードを通した光は、光源の輪郭をぼかし、光を周囲へ拡散させます。
瞑想空間では、照明器具そのものを強く主張させるよりも、空間に光が存在していることを感じられるような照明計画も効果的です。

間接照明と瞑想照明

瞑想照明と相性のよい照明手法の一つが間接照明です。
間接照明とは、光源から直接人や床を照らすのではなく、壁や天井などに光を当て、その反射光を利用して空間を照らす方法です。
直接照明では、光源から出た光が比較的直接的に視界へ入ります。
一方、間接照明では一度壁や天井などに反射するため、光の印象が柔らかくなりやすいという特徴があります。
瞑想中は視覚的な刺激をできるだけ抑えたい場合があるため、光源そのものが視界に入りにくい間接照明は、瞑想空間の照明計画に取り入れやすい方法です。
壁面を照らすウォールウォッシュ、天井を照らすコーブ照明、家具の背面や床面を照らす間接照明なども、瞑想空間の演出に応用できます。
ただし、間接照明であっても光量が強すぎれば落ち着いた雰囲気にならないことがあります。
重要なのは「間接照明なら必ず適している」と考えるのではなく、光量や配置を含めて調整することです。

調光機能と瞑想照明

LED照明の普及によって、調光機能を持つ照明器具も増えています。
調光機能があると、同じ照明器具でも用途に応じて光量を変更できます。
例えば、瞑想を始める前には周囲が見える程度の明るさにし、瞑想中は少し光量を落とすといった使い方が考えられます。
さらに、調色機能を備えた照明であれば、光の色温度まで変更できる場合があります。
昼間は比較的白い光、夕方以降は暖色系の光というように時間帯によって照明環境を変化させる方法は、住宅照明でも取り入れられています。
光は人間の概日リズムにも関係しており、特に夜間の光環境についてはメラトニン分泌との関係が研究されています。
夜間の高色温度・高照度の光はメラトニン抑制と関連することが報告されているため、夜の瞑想空間では時間帯を考慮して光環境を設定することが重要です。

瞑想照明を選ぶときのポイント

瞑想照明を選ぶ際には、まずどの時間帯に使用するのかを考えることが大切です。
朝の瞑想、昼間の瞑想、夕方の瞑想、就寝前の瞑想では、適した光環境が異なる可能性があります。
次に、照明器具から光源が直接見えるかどうかを確認します。光源が視界に入りやすい場合は、シェードやディフューザーによって光を拡散できるタイプを選ぶ方法があります。
さらに、調光機能の有無も重要です。
時間帯やその日の気分に合わせて明るさを変えられる照明であれば、瞑想以外の用途にも対応しやすくなります。
色温度を変更できる調色機能付きLED照明も選択肢になります。
そして、器具単体ではなく、部屋全体の光環境を見ることが重要です。
天井照明だけを使用するのではなく、壁面照明やフロアライト、間接照明などを組み合わせることで、より立体的な光環境をつくることができます。

瞑想照明は「暗さ」ではなく「光の質」を考える照明

瞑想照明を理解するうえで重要なのは、「瞑想には暗い照明がよい」と単純に考えないことです。
瞑想に適した照明環境を考える場合、明るさ、色温度、光の方向、光源の位置、拡散性、グレア、影、調光機能、時間帯など、多くの要素を組み合わせる必要があります。
特にLED照明が普及した現在では、光量や色温度を調整できる照明器具も選択肢になっています。
光は人間の視覚だけでなく、概日リズムや覚醒度などの非視覚的な生理反応にも関係しています。
そのため、照明を単なるインテリア用品ではなく、人が過ごす環境を構成する重要な要素として考えることができます。
瞑想照明とは、こうした光の特性を理解しながら、瞑想、呼吸、ヨガ、マインドフルネス、リラクゼーションなどを行う空間に適した光環境を考えるための照明です。
強い光で空間を一様に明るくするのではなく、必要な場所に必要な量の光を届け、光源のまぶしさを抑え、壁や天井への反射光を利用しながら、静かな陰影をつくることが、瞑想空間の照明デザインでは重要になります。
また、瞑想照明という言葉は、癒し照明、リラクゼーション照明、ウェルビーイング照明、ヒューマンセントリック照明、間接照明、調光照明、調色照明、低色温度照明、アンビエント照明など、さまざまな照明分野とも関連しています。
これらの考え方を組み合わせることで、単に「明るい」「暗い」という二択ではない、時間帯や目的に応じた豊かな光環境を構成できます。
瞑想照明を選ぶ際には、照明器具のデザインだけを見るのではなく、光がどこから来て、どこへ広がり、どの程度の明るさになり、見る人にどのように届くのかまで考えることが大切です。
照明の役割は、物を見えるようにすることだけではありません。
空間の印象をつくり、人がその場所でどのように過ごすかを支える環境要素でもあります。
瞑想という静かな時間に寄り添う照明では、特にこの「光の質」という考え方が重要になります。
暖かみのある光、柔らかな拡散光、壁面を照らす間接光、適度な陰影、まぶしさを抑えた光、そして時間帯に合わせて調整できる光。
こうした要素を丁寧に組み合わせることによって、瞑想を行うための落ち着いた光環境をつくることができます。